管状炉・電気炉の選択ガイド

このページでは、電気炉をどのように選択していくのかの一例を紹介します。

何°Cの制御が必要がありますか?

Protherm製品は、温度別に製品を選択することができます。650℃までは定温乾燥器から、電気炉(研究用・産業用電気炉、管状炉)は1800℃まで選べます。まず、今、最高何度が必要で、将来的に何度が必要になりますか?

定温乾燥器か電気炉か?

定温乾燥器は常時最大温度での運転が可能で、最高650°Cまでの制御が熱の対流によって保たれます。通常、底部にヒーターが位置し、底部に集まる冷たい空気を加温して対流させます。
より洗練された製品には、送風によって空気を混合して均一性を向上させています。


+650°C

電気炉は800°C以上の高温帯における温度制御を想定して設計され、輻射熱によって加熱します。

電気炉は大きく管状炉チャンバー炉に二分されます。小型のサンプルの加熱や、雰囲気制御・真空制御には管状炉(挿絵右)が、同容量のチャンバー炉に比べて安価です。

最高温度別の代表的な管状炉はこちらからご覧いただけます。
+1200°C
+1600°C+1800°C

縦型容器や大型のサンプルの加熱には、チャンバー炉(挿絵右下)に各種サイズ取り揃えております。

電気炉は600℃より低い温度帯での運転も可能ですが、対流によって温度均一性が定温乾燥器よりも劣ることがあり、実際温度が設定温度より初期加熱時に飛び出してしまうことや、継続的運転を行う場合発熱体の寿命が短くなることがあります。

最高温度別の代表的なチャンバー炉はこちらからご覧いただけます。|+1300°C+1600°C+1800°C

低温すぎないで!

電気炉の発熱体は、最高温度付近で使用されると寿命が著しく短縮します。そのため、電気炉は常用に使用する温度より100℃高い製品を選択してください。

例:常用1500°Cでの使用を想定
選択例:
PLF16 高温電気炉(最高温度1600°C)
PTF16 高温管状炉(最高温度1600°C)

高温すぎないで!

必要な温度を大きく上回る最高温度をしていすると、必要以上に高額な電気炉になります。電気炉の製造にかかわる費用は、温度に従って段階的に上昇します(右挿絵参照)。これは高品質の発熱体・断熱材が必要になるためです。

熱電対


高品質で耐久性の高いなプラチナ・ロジウム(Pt/Rh)熱電対、タイプSを幅広い製品に使用します。

発熱体

1300°Cまでは巻き線式(FeCrAl)発熱体が使用できます。それ以上の温度では、シリコンカーバイド(SiC)発熱体が使用され、1500°Cから1600°Cの制御にはハイグレードなシリコンカーバイドが使用されます。

1600°Cから1800°Cにはカンタルスーパー(2珪化モリブデン:MoSi2)が使用されます。MoSi2発熱体の使用には低圧トランスや電圧制限制御器の必要性によってコストが上昇します。

発熱体別の代表的な管状炉はこちらからご覧いただけます。
巻き線式(FeCrAl)
シリコンカーバイド(SiC)カンタルスーパー(2珪化モリブデン:MoSi2)

断熱材

最高温度の上昇によって断熱材の費用は著しく上昇します。1700°Cでの断熱コストは900°Cのおよそ20倍です。