管状炉・電気炉の選択ガイド

このページでは、電気炉をどのように選択していくのかの一例を紹介します。

管状炉?それともチャンバー炉?

チャンバー(箱型)炉のデザイン

もっとも単純で安価な設計は、前面扉が側面または手前に開くタイプです。







前面扉上下スライドして開く扉は、ドア裏面の加熱部表面にオペレータをさらすことがなく、より快適に安全な運転が可能になります。







高さのあるサンプルや、るつぼなど、チャンバーの上から出し入れが必要なサンプルの場合は、垂直に搭載可能なタイプが適しています。発熱体は側面に位置しています。













底部搭載式または昇降式炉は、炉床を昇降してチャンバー内に出し入れできるので、サンプルを急速に加熱したり、冷却したりするアプリケーションに適しています。上下スライド式のドアよりもさらに、輻射熱に接することのない設計です。







このタイプの炉は、炉の頂点に孔があるので、成分の添加、攪拌や熱電対プローブの挿入などにおけるアクセスが容易です。また、マッフル炉に比較して、ガスタイト環境を生成しやすいです。金属製ジャーまたはるつぼを炉内に配置し、サンドシールを施したり、融点の低い金属合金を溶解させることができます。











「帽子タイプ」の炉は、上記の炉床エレベーター炉のような特性に加えて、炉本体が上昇している間、炉床の位置が保持されますので、大型の炉など、サンプルがより重い場合適しています。炉内の断熱材に保持された熱は、次のサンプルの加熱にも有効なので、エネルギー・時間の省略化を図れます。







排気のデザイン

 すべてのチャンバータイプの電気炉には、煙突が取り付けられており、チャンバー内の空気を排出させ、サンプルのより早い燃焼や乾燥が可能です。この気流によって、発熱体と反応可能性のある期待をすばやく取り除くので、発熱体の寿命を延長させております。灰化炉には、追加の吸気口が搭載されており、さらに通気が良い設計です。
 炉を燃焼させる目的で使用すると、すすが発生して炉内と断熱層に蓄積する傾向があります。炭素は電気を導通するので、ヒータの短絡の原因となることがあります。
 この問題を避けるもっとも良い対策は、最良の通気性と、毎週30分間炉を最高温度で運転させることです。これによって炭素を焼き除くことができます。

灰化炉

灰化炉は、制御温度に密接して材質を燃焼させる設計です。空気は、長い煙突へ向かって流れ、チャンバー内に入る前に断熱層で強制的に予備加熱されます。吸気口近くのサンプルが気流によって冷却されすぎないように保障されます。



雰囲気制御

管状炉はサンプル周囲の雰囲気を制御する最もシンプルな方法を提供できます。

チャンバー炉も、単純に不活性ガスの注入口を付けることは可能です。この方法では、チャンバー内の酸素濃度を1-0.1%へ減らすことができますが、ドア周囲や繊維性断熱材を通じてのガスの漏出率はとても高くなります。一種の金属製レトルト容器をチャンバー内に配置すると、より効率的で、1100℃まで加熱することができます。レトルト容器には以下の2種類があります。

サンドシールレトルト

容器の蓋の周囲にサンドチャネルシールを用い、酸素レベルを0.01%に低減させます。このレトルトは素材の表面硬化用のカーボンパウダーを内包できます。レトルト容器は素材の取り出しの際には、炉内から出す必要があります。容器が熱い間でも、炉内から出して大気中で急速に冷却することができます。大型の炉用には、ローラーが付属した容器を炉床に配置して、重い容器を移動しやすくすることも可能です。



ガスケットシールレトルト

ガスケットシールは、酸素レベルをさらに低減させ、供給ガスの酸素濃度の10倍程度まで低減させます。このタイプは、炉から容器を出し入れせずにサンプルの取り出しができます。